STORY


静寂

静寂

静寂


白い模造紙に

青い色水がこぼされたような

空が見下ろしていて


開いた窓が忘れかけた

いつかの言葉をキーこキーことうたっている


いつもの居場所

ばらまかれた先の丸まった鉛筆と

散らかった消しゴムのカスと

ほんのちょっとの感傷と

溢れ出したごみ箱


スイッチの切り忘れたテレビは無口で

会いたい人に会わせてくれない

たぶん冷たい画面の奥の先に


破れたYシャツ

誰も直さないままに僕のベットの上

白くて洗いたて


立てかけられたギターはごとんと倒れ

積まれていた本もざざっと崩れる


音の入っていないテープが止まる

かちゃんという音

曲が終わったと告げる


目覚ましが起床時刻を告げる

じりじりという音

眠りが終わったと告げる


そして僕は始まった


静寂

静寂

静寂


けど何も始まらない


パタンという音

物語が終わったと告げる


静寂

静寂

静寂






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